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ブログ 2018/04/21 17:43

ハンドメイドソーシャルワーク その2

こんにちわ。夕刻が近づいて来ました。

働いている人、休養なさっている人、ご家族を介護している人。

それぞれ違う場所で頑張っているみんなみんな、今日もお疲れ様です。

先日仕事帰りに空に虹がかかっていました。電車の中から撮るのは写真がへたくそな私にとっては至難の業です。

ところで仕事から解放された帰り道、ぼーっとしているとよく色んなことを思い出します。

長いことナース業をやっていると忘れられない患者様のことを思い出すことが多いです。

例えば、その昔、いつも病室を抜け出している患者様がいらして、どこにいらっしゃるのか?と皆で大騒ぎして探したところ、その人はいつも同じ場所にいらっしゃいました。吹き抜けをぐるりを囲んだつくりのビルにある病棟で、その人はいつも廊下の片隅に膝を抱えて座っていました。いつも定位置にいらっしゃるので、段々スタッフも、そしてご家族ですら気にならなくなっていたりしました。

でも、医療従事者なので色々なことを考えてしまいますよね?そんな冷たく固い廊下に座っていらしてお尻が痛くないのか?褥瘡が出来てしまうんじゃないか?ベッドで寝ている方が楽なんじゃないか?中には「病院の廊下に座っているなんて不衛生だから見つけたらベッドに連れ戻すこと!」と言う人もいたりして。

でも、その人は何をやっても必ず同じ場所に戻って座り込んでいます。発語もないし無表情のままで。

それどころか、その場所から動かそうとすると途端に怒りを露わにして暴れ出してしまうのです。

「認知症だから。」とはよく聴かれる言葉ですが、私は若い頃から少し変わった看護師だったので、ある日その人の隣の地べたに座ってみました。30センチくらいお隣に全く同じポーズで。

何か反応があるかな?と思ったのですが微動だにせずいつものようにまっすぐ前を見たままでいらしたので自分も同じくまっすぐ前を見てじっとしていました。

するとしばらくすると「ああ、なるほど。」と独り言が漏れてしまいました。何故かと言うとその場所は、その病棟が一番よく見渡せる場所だったからです。色んなスタッフの行き来、面会者の出入り、ただ前を見ているだけで全部見えるし、おまけに背中は後ろの壁にくっつているので、すごく落ち着くんです。

よく見えるー。落ち着くー。と独り言を言っている私に親しくしていたスタッフが「何してんの、バカ。」と声をかけて来ても何だかいつもと違った光景に見えるほどで。妙に面白かったです。

その時、お隣から『そうそう。そうなんだよ。何にも怖くない。』と声がしました。私の独り言に答えてくれたのです。それから色んな経過があって色んなところに座ってみたりして、ある時は私が先に座っている場所にその人が追いかけて来て座るというよなことさえありました。特にそこまで望んでいなかったのですが、段々その人の安全圏と認識するところが広がって退院なさる間際にはベッド上に普通に座っていらっしゃったり、はたまた散歩していらっしゃり。

それからというもの、ロッカーに隠れてしまう方に遭遇すればロッカーに入ってみたり・・・とにかく「どんな気持ちなのかな?」と真似をしていました。(ロッカーに入ってみると、これまた安全な気がしました。そして自分を探してくれている様子が嬉しいとか・・・。)

急にそんなことを思い出したのは、現代に立ち戻り、普通に特養で仕事をしている日のことでした。

前々から床に座って過ごされる利用者様がいらっしゃいました。理由や原因としては、多分昔出会った患者様とは違って、いくつか予測できることもあるのですが・・・。とにかく床に座っていたり寝ていたりされることが多い方でした。そう、とにかくご本人がそうしたいわけですね。それが一番大事。

前回アップした例のように沓掛ホームでは利用者様の行動や姿勢・特徴や個性に合わせて工夫をする職員が多いのですが、そんなある日の介護ステーションで沓掛ホームの機能訓練指導員がせっせと何かを作られていました。

何かなー?と思って見ていたら利用者様のためにマットを用意して下さっているところだったんですね。まるでジグソーパズルのように組み合わせて、おそらくは氏が憩っている最中の佇まいを想像しつつ「これくらいかなあ?」とサイズを決定しているようでした。

その日からすぐにそのマットは敷かれています。

床よりも暖かく氏が横になっていた場所が暖かくさえありました。

もう冷たくないし固くもないし、痛くもないですね。皮下出血が増える心配も少しだけ減りましたね。

でも、それより何より重要なことは、心なしか・・・これを設置して下さってから徐々に普通に椅子に座って過ごされていることも多いような。(*^_^*)

もしかしたらいつでもそこにあると思うと少し安心できるからなのかな?と思いました。

厚生省から身体拘束ゼロの手引きを提供・公開されてから長いです。

まだまだ日々努力・試行錯誤だなあと思います。でも、あくまで楽しくその日出来る限りの愛を持って。

看護主任 尾崎

 

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